みなさん運動していますか? その①
ご無沙汰しております。石坂公介です。暑い日が続いていますが、お変わりありませんでしょうか。
突然ですが、みなさん普段運動していますか?今日は運動療法、リハビリテーションについてお話します。
もともと運動療法、リハビリテーションの対象は運動器疾患など身体的な効果が期待されるものが多かったですが、その後糖尿病、肥満症などの運動療法の効果が認知され、さらに循環器や呼吸器疾患に対する効果も示されてきています。
厚生労働省が定める5大疾病にも運動療法、リハビリテーションはとても重要です。
・がん:がん患者さんに対する運動療法は日常生活動作(activity of daily living; ADL)を改善するのみならず、予後をも改善することが報告されています。
・脳卒中:下肢訓練は歩行能力の改善に、トレッドミル訓練は歩行速度や耐久性を向上させるので勧められるとガイドラインに記載されています。
・急性心筋梗塞:発症後のリハビリテーションだけでなく、慢性心不全においても生命予後の延長や再入院率の減少に関する研究が多数報告されています。
・糖尿病:筋のインスリン感受性が改善し、脂質代謝も改善されます。また、運動によるストレスの改善や、QOLの向上も指摘されています。
・精神疾患:うつ病や不安障害に対する運動療法の効果が示されており、認知症については、有酸素運動もしくは筋力強化運動が推奨され、脳容量の増大または脳萎縮抑制の効果も報告されています。またADLの維持・改善、介護者のQOL改善や負担軽減に対する効果も期待されています。
ちなみに、普段の生活においても「運動しているぞ」という意識が重要です。
ある研究グループがホテルの清掃員を「掃除も運動です」と教育した群と、そうでない群にわけて1か月後に比較したところ、「掃除も運動」だと思って仕事をした群で体重が平均1.5㎏減少、血糖値が低下、血圧が低下という結果が出たそうです。
どうせやるのであれば、より効果を得たいですよね。
では、どのような運動がよいのでしょうか。
続きはまた次回。
石坂公介(普段私も「歩いているぞ!運動しているぞ!」と念じながら歩いています)