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特発性大腿骨頭壊死症について③

[2022.03.24]

こんにちは。ホームページの中の人、石坂公介です。前回の②も分かりにくい部分などなかったでしょうか。今回は関節温存手術について書いていきます。

 

前回、人工股関節は安心安全な治療法だが、耐用年数の問題があるという話をさせていただきました。手元にある教科書(股関節学 金芳堂:今回使用した絵も全てこの本から引用しました)には特発性大腿骨頭壊死症の手術療法について、「高齢者、壊死範囲が大きい場合、そして関節症性変化が進んだ症例では人工骨頭置換術や人工股関節全置換術が必要となることもあるが、若年者においては骨切り術を主とした関節温存手術を優先すべきである」と記されています。


(眠くなった時の枕にちょうど良いくらいの厚さがあります)

 

ちなみに『 特発性大腿骨頭壊死症 診療ガイドライン2019 』では関節温存手術(=骨切り術)の章の前文に「年齢は一般的に60歳以下が適応とされている」と記載されています。48歳の千原ジュニアさんも、選択肢として挙がっていたのではないかと思います。

 

関節温存手術=骨切り術とはどんなものなのか。これは大腿骨を切って、壊死していない部分(健常部分)で体重を受けられるように骨をずらす方法です。下の絵を見ていただくとイメージしやすいのではないでしょうか。

大腿骨内反骨切り術(大腿骨を切って角度を変える方法です)

 

 

股関節は大腿骨と骨盤(寛骨)から成り立っていますので、大腿骨を切っても、骨盤を切っても、傷んでいる部分をずらして健常な部分に体重がかかるようにすることができます。ただ、骨盤側を骨切りした方法については、多くの患者さんの経過を長い間追っている論文が少ないため、「ガイドラインとして明らかな適応を示すのは難しい」ということになっています。

 

大腿骨側の骨切り術は良好な成績について報告が多くある方法ですが、左右片方だけを手術した場合、足の長さに差が出ることが問題となることがあります。また大腿骨にストレスがかかることで、大腿骨頚部骨折を起こすこともあります。骨盤側を骨切りした場合は、足の長さは変わらず、大腿骨へのストレスもかからないため、骨盤側の骨切りを好まれる術者の先生もいらっしゃいます。

寛骨臼回転骨切り術(オレンジ色の線で骨盤を切って回転させる方法です)

 

手前みそで恐縮ですが、昨年の日本股関節学会の学会誌に『 特発性大腿骨頭壊死症に対する寛骨臼回転骨切り術の中期成績 』という論文を掲載させていただきました。骨盤側の骨切り術も効果がある方法ですよ、という内容です。もっと詳しく聞きたいという方は、是非お声がけください。

 

 

「結局それが書きたかったことじゃないか」ですって?
ご、ご想像におまかせします。

 

石坂公介

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