2月はカレンダー通りの診療となります ~ひざ若返りについて~
雨が少なく乾燥した日々が続いていますが皆様おかわりありませんでしょうか。インフルエンザを含めた感染症は衰えを知らず猛威を振るっています。手洗いうがいなどの標準予防策はぜひ続けてください。なお受診の際にはマスクの着用、手指消毒へのご理解、ご協力をお願いいたします。
1月に放送されたNHKのトリセツショー、「ひざ若返りのトリセツ」ご覧になりましたか。以前もトリセツについて書いたことがありますが、NHKのまわしものでは決してありません。
患者さんとお話をしていてもたびたび話題に上がり、ご覧になった方も少なくなかったようです。私自身も勉強になることがいくつもありました。とくに「6秒筋トレ」は手軽で、外来でも今までの指導にあわせて簡単に説明できるなと思います。
番組で一瞬写っていた論文を探して読んでみましたが、もとになった海外の研究では「6秒間を1日5回」でデータをとっていたようですので、負担にならない範囲で数回行うのが良いようです。
無理のない範囲で行ってくださいね
2023年に改訂された変形性膝関節症ガイドラインにおいても「変形性膝関節症に運動療法は有効か」に対し「推奨度1:強い(実施することを推奨する)」となっています。一方で「変形性膝関節症に体重減少は有効か」に対しては「推奨度2:弱い(実施することを提案する)」となっています。つまり減量よりも筋トレを推奨する、とガイドラインに書いてあるのです(減量ももちろん大事です)。
膝や股関節などの荷重関節を守るために体重コントロールはとても重要ですが、減量よりも6秒筋トレのほうがハードルは低いのではないでしょうか(ちなみに痛み止めの飲み薬も推奨度2となっています)。テレビをみながらなど隙間時間でこまめにやれば継続できそうですよね。
ちなみに膝の痛みの原因は変形性膝関節症だけではありません。膝の痛みでお困りの方は一度お近くの整形外科へご相談に行かれることをおすすめします。ちなみに「膝の水をぬくとクセになる」という都市伝説は誤りです。詳しくはこちらをどうぞご覧ください。
石坂公介