7月はカレンダー通りの診療となります ~腰痛でお困りではありませんか?~
こんにちは。石坂公介です。7月もカレンダー通りの診療となります。暑い日や大雨など続いていますが、脱水にはくれぐれもご注意ください。
整形外科の外来をしていると、痛みでお困りの患者さんが多いわけですが、その中でも特に多いのが腰の痛みです。厚生労働省が公表する「国民生活基礎調査の概要」では、国民の代表的愁訴は腰痛(男1位、女2位)、肩こり(男2位、女1位)が不動のトップ2です。
痛くなってすぐの方、しばらくしてから受診される方、様々ですが、お話を聞いていて感じるのは「この痛みは何か重篤な病気が原因で生じているのではないか」と過度に心配されている方が実に多いなということです。
腰痛を悪化させる危険因子はいろいろありますが、「恐怖回避思考」が特に重要とされています。これは痛みに対する不安、恐怖感、腰痛に対するネガティブなイメージから過度に安静にしてしまう思考・行動のことです。多くの腰痛では安静は禁ともいえるのですが、腰痛を恐れてしまい、予防としても治療としても重要な運動習慣を回避してしまうことです。
腰痛の中で、緊急での治療が必要なものもあります。
・化膿性脊椎炎などの感染(安静にしても痛みがあり、発熱を伴うことが多いです)
・大動脈解離(急に出現する腰背部の痛み、救急搬送となるケースが多いです)
・ガンなどの悪性腫瘍の転移(ガンの治療をしている方など)
・脊椎の圧迫骨折(ご高齢の方、骨粗鬆症のある方、ステロイドを使用している方など)
・その他
逆に言えば、それ以外の腰痛はそこまで心配のない腰痛ということになります(勿論そういった方の方が多いです)。
「大丈夫かな、悪い病気かな」と思いながら、受診をせずに不安を抱えたままにしておくのはあまり良いことではありません。
不安そのものは健康的な誰にでもある正常な反応です。不安を完全に消し去ることは不可能ですが、それをコントロールし、うまくつきあっていくことは可能です。
不安は放置しているとどんどん大きくなっていきます。適切な検査、診察を受け、相手(=腰痛の原因)を知ることでその不安をある程度コントロールできれば、痛みの大きさも自然と小さくなっていきます。
腰痛が心配な方はお近くの整形外科の受診をおすすめします。
腰痛に関しては以下のようなサイトも参考になります。
〇腰痛ケア.com 東京大学の松平浩先生が監修しているサイトです
〇厚生労働省 転倒予防・腰痛予防の取組 いきいき健康体操の動画や解説書も参考になります。吉本興業もコラボしてます。
個人的にはマヂカルラブリーとインポッシブルの動画が好みです 石坂公介