3月はカレンダー通りの診療となります ~寒い日は転びやすくなります~
こんにちは、石坂公介です。
2月は雪が降ったり、20度を超す暑い日があったり、また寒くなってみぞれが降ったりと、おかしな天候に体が参ってしまった方も少なくなかったのではないでしょうか。
冬になると転倒や骨折が増えるのですが、皆さんご存じでしょうか。冬になると全国の整形外科医が「骨折の患者さんが多くなってきたな」、「手術件数が増加したな」と思いながら診療をしています。
増えるんでシュッ
先日の雪の日のように、積雪や凍結で転倒が増えることは想像できると思うのですが、雪が降らない年も冬は転倒して骨折する方が増えるのです。
実際に「12月は橈骨遠位端骨折の頻度が高い1)」ことや「大腿骨近位部骨折は1月に多い2)」ことが報告されています。
「寒冷刺激が身体能力や認知能力の低下をもたらす3)」という海外の報告もあり、寒いこと自体が転倒のリスクとなることが示唆されています。
春はすぐそこまで来ていますが、寒い日にはくれぐれも転倒にご注意ください。
石坂公介
1)Hagino H, Yamamoto K, Ohshiro H, et al. Chang-ing incidence of hip, distal radius, and proximal humerus fractures in Tottori Prefecture, Japan. Bone 1999 ; 24 : 265-70.
2)日本整形外科学会骨粗鬆症委員会大腿骨近位部 骨 折 全 国 調 査 結果〈https://www.joa.or.jp/member/committee/osteoporosis/pdf/femur19.pdf〉
3)Mäkinen TM. Human cold exposure, adaptation, and performance in high latitude environments. Am J Hum Biol 2007 ; 19 : 155-64.